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ミスターWHOの少数異見

2010年8月8日 日曜日

週間東洋経済8/14-21合併号をめくっていたら次の見出しが目に刺さった。(同号p29)

「なぜ若者は勉強しない  原因は大人の”怠慢”」

「中国や韓国の若者に比べて、我が国の若者は勉強しないと言われる。最近では、海外への留学生も減少しているようだ。この傾向を憂い、我が国の将来に危機感を抱く人も多い。」

うんうん、なるほど。

「昨今、就活という言葉がはやっている。わが国を代表する大企業は、せっせと青田買いに精を出し、面接しては大学3年生に内定を出している。3年生で内定をもらった学生が、その後、必死に勉学に励むだろうか。」

さすがに大学3年で内定を出すのは身近で聞かないが、たしかに3年生の秋頃から勉強に身が入らなくなるのはほんとうだ。
だから、日本の大学生はせいぜい2年と半年しか勉強をしないと批判されても仕方がないだろう。もちろん平均像。

「青田買いの撲滅も難しくはない。経団連の会長会社がまず青田買いをやめ、次いで、青田買いをするような会員企業は除名する、と宣言すれば済むことではないか。」

うーん、採用における自由競争と紳士協定という神話が崩れないと難しいかもしれないが、正論である。大学の立場からすれば、勉強に4年間専念できない状況がずっと続いてきて、学生の学力低下を企業が嘆くというのは納得いかない。

ところで青田買いをやっているのは、企業だけかというとそんなことはない。一時の拡大の勢いは治まったが、高校生に対するAO入試という名目の早期決着、指定校推薦その他各種推薦入試による早期決着、大学附属高校を中学校まで延長して入学生を早めに確保する動き、ようするに大学も企業に習って青田買いと無関係ではない。

大学に入ってからもしっかり勉強すること、企業に入社してからしっかりと働き能力を高めていくこと、どうも日本の社会はポールポジション獲得まで全力でがんばり、本戦では力を出し切れない若者を大量に生み出していないか。

人は何のために勉強し、働くのか、「哲学」の暑い夏を過ごすことになりそう。